服を育てる魅力に出会った、あの日

茶色のウイングチップの革靴のアップ画像

中学生の頃からお洒落に目覚め、40代になった今でもあいかわらず理想の着こなしを追い求め続ける日々。

ただ、ある時を境に僕は洋服で着飾るだけでなく、もう一つの視点を持つようになった。

それは、洋服を「育てる」という楽しみ方。

目次

一足の革靴との出会いがはじまり

大学生の頃に初めて買った本革の靴。
手入れもせずに履き続けていたら、表面はカサカサに乾燥し、傷だらけでひび割れしてしまっていた。

販売店に持ち込んでメンテナンスをしてもらうと、艶が蘇り、嘘みたいに息を吹き返した自分の靴は、傷がアジにすら見えた。再び自分の足元に収まった瞬間、感動しすぎて店員さんに20回くらい感謝の気持ちを伝えたことを、いまだに覚えている。

20代の頃、アパレル販売員の頃に出会った英国製の高級紳士靴が、大学時代のあの感動を思い起こすきっかけになった。それからずっと、手入れをしながらモノを愛用していく魅力に取りつかれ続けているのだ。

「この先長く着られるかどうか」が選ぶ基準

使い込んでいくことで表れるシワや風合いの変化。
自分の体に馴染んでいく過程を味わっているときの高揚感は何物にも代えがたい。靴に限らず、洋服でも。使えば使うほど味わいが深まっていくモノが好き。

僕が洋服を選ぶ基準は、デザインや機能性だけではなく「この先長く着られるかどうか」。

たとえ使い始めは同じでも、シワや傷の入り方、色の落ち方や深まり方、使用頻度や使用方法によって、時間が経つごとにその人らしさが生まれていく。そんな育て甲斐のあるモノへの偏愛はずっと変わらない。

年齢を重ねるごと深まる「らしさ」

シンプルな装いの中に、その人ならではの個性が滲み出る。
表面的な格好良さにはあまり惹かれない僕にとって、まさに理想の姿でもある。

「育てる」という観点はモノとの向き合い方だけでなく、自分との向き合い方も変えた。

まだ硬くて肩が凝る厚手のコットンジャケットや、3時間履くと小指がちぎれそうに痛くなり、踵が血だけになる革靴も、クローゼットで自分の出番を待っている。


育て甲斐があるってもんだ。

そんなちょっと気難しいけど愛着の絶えない服や靴と、あれこれと対話しながら共に年を重ねていきたい。

クローゼットの「なんかしっくりこない」があれば、よかったら聞かせてください。
服以外のことは、noteに綴っています。

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