僕にとって、洋服は自分を防衛するための鎧だった。
他人の目や組織の評価に怯えていた頃、それは自分を保つための唯一の武装だったのだろう。
けれど今、その戦いから離れ、身を守る必要がなくなった。
傷を癒しながら、自分にできることを一つずつ積み上げる日々。
「自分はこんな人間だ」と服で着飾って、自分の価値を誇示しなくても、裸のままでちゃんと呼吸ができている。
ただ純粋に、服が好きだった頃の自分に戻ろうとしている感覚。
クローゼットにあるお気に入りの洋服が並んでいるのを眺めるだけで、不思議と心が落ち着く。
もう身構える必要はない。彼らはいつでもそこにいてくれる。
さっ、次の週末は何を着ようかなぁ。

