自分だけの一着に染まっていく。
そんな過程を味わいたいから、僕は天然繊維の洋服を選ぶ。
コットン、リネン、ウール、レザー。
これらの素材は、使う人のライフスタイルに合わせて皺やキズ、色落ちが刻まれ、自分だけの表情になっていく。ジーンズのように激しい濃淡を楽しみたい人もいれば、数年かけてゆっくりと風合いを深めたい人もいる。答えがないからこそ面白い。
ドイツのブランド『FRANK LEDER(フランクリーダー)』との出会いは、僕の服選びを決定づけた。デザイナーが選び抜いたヴィンテージ素材を使い、独特の空気感を纏った服たち。
衝撃的だったのは、「洋服が出来上がった時点の完成度は60点。着る人が100点に育てていってほしい」という哲学だ。あえてボタンを外れやすくし、「取れたら自分の好きなボタンを付けて」というメッセージを聞いた時の興奮は、今でも鮮明に覚えている。
元々、革靴や財布を育てるのが好きだった。
最初は硬くて、少し扱いづらい。時間をかけて体に馴染ませ、自分の一部にしていく。
そんな扱いづらさを乗り越えた先に、深い愛情が宿る。
結局僕は、時間が経つほどに深みを増していくものが、たまらなく好きなのだ。
僕のクローゼットには、化学繊維の洋服がひとつもない。いつの間にかそうなっていた。
天然繊維の魅力を知ると、服はただ纏うものだけじゃなく共に過ごす相棒にもなる。
愛着のあるものが、クローゼットに並んでいるのを見るだけでニヤついてしまうんだよなぁ。
経年変化を楽しむ服の選び方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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