汚したくないスラックスを穿いた日に限って、うどんの汁が飛ぶ

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スラックスを穿いて歩く人の足元の後ろ姿

絶対汚したくない服を着て出かけたときに限って、なぜか汚してしまうんだよなぁ……ほんと不思議だ。意識し過ぎるせいで、避けたい試練を自ら引き寄せてしまっている気がしなくもない。昨日は、ランチで汚してしまわないか心配しながらも、一本のスラックスに脚を通した。「やっぱりシルエットが抜群に綺麗だなぁ」とか、「雨だから短めのレングスがぴったりだなぁ」とか、自分の選択を納得させながら意気揚々と出かけた。

最初の試練は、電車の椅子に座ったとき。お尻や太ももの裏に変な皺が付いていないかが気になって仕方ない。生地をピンと張った状態で座りたいけれど、隣の人との距離が近くて身動きできず、あえなく断念。変に意識しすぎて普段使わない筋肉を使ったせいか、目的の駅に着いたときにはすでに疲れ切っていたんだよなぁ。

続いての試練は、お昼にうどんを食べたときのこと。汁が飛び散るリスクがあるから、「麺類は絶対に食べてはダメだ」とわかっていたのに……どうしても我慢できなかった。スラックスを汚すまいと、椅子をしっかり引いて、汁の飛び跳ねを徹底ガード。順調に食べ進め、ちょっと安心しかけたそのときだ。喉の変なところに麺が入り、思わずむせて、スラックスの股間部分にこぼしてしまった。

場所が場所だけに「アイツ、何やってるんだ?」と思われないかも気になったけれど、優先順位はとにかくズボンの汚れ。油分が染み込んでいく前に、目の前にあったコップの水で応急処置をした。「なんでこうなるのー!!!」と満員の店内で叫びたくなった。シミが残らないか、乾いていく様子をハラハラ見守りながらお店を後にした。一刻も早く帰って洗濯したいなぁ……って、心の中で何度も呟いていた。

最後の試練は、行きたかったお店のオープンまで少し時間があったときのこと。広場の木製のベンチに何気なく腰掛けた。数十分経ってふと頭上を見たら、屋根がないことに気づく。案の定、お尻が湿っている気がした。「またやっちまった……」。 本当に踏んだり蹴ったりだなぁ。と思いながらお店に向かったけれど、気づいたらそんなトラブルは忘れて、夢中で眼鏡を試着していた。

結局のところ、そのスラックスは大して汚れていなかった。たしかに、普段着ている部屋着なんて、何度着倒して、気にせずジャブジャブ洗濯機で洗っても、言うほど汚れたりヘタれたりしてない。ちょっと神経質になり過ぎなのかもしれない。服が汚れて着られなくなるという「最悪の事態」を想像し過ぎて、空回りしていたのかもなぁ。

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