僕は今、立ち止まって、これから進むべき方向を模索している。お金や未来への不安に耐えながら、社会から弾き出されたような気分で、ただ立ち止まっている。 ……にしても、妻からの冷たい視線が正直言って痛すぎる。
けれど、何もかもうまくいっている人にはできない経験を、今僕はしているのかもしれない。 負け惜しみに聞こえるかもしれないけれど、うまくいかなかったからこそ、こうして立ち止まれたんだなぁ。もし順風満帆だったら、立ち止まるという発想すらなかったはずだ。 こうして人生の軌道修正ができるのは、うまくいかなかった人の特権かもしれない、なんて思う。
僕は、たまにこうやって立ち止まる。3年前と15年くらい前にも立ち止まった。どれも限界がきて、そうするしかなかったんだ。そのたびに思うけど、立ち止まるのって怖いし、痛いし、辛い。『好き』を仕事にしたはずのアパレル業界で、なぜか満たされない自分。そんな矛盾が起きるなんて、想像すらしていなかった。
でも、一発で目的地に辿り着くなんて、きっと楽しくないし、そもそも無理な話なのだ。僕は大谷選手みたいに、世界中の人が拍手するホームランは打てないけど、不器用なりに足跡を刻んでいきたい。
たぶん、弱くて繊細だから立ち止まれたんだと思う。「そっちじゃないよ」と心の声が教えてくれたのかもしれないな。
立ち止まるたびに、ちょっとずつ軌道修正ができている気もする。次に立ち止まった時に、少しだけ舵を切るだけで前に進めるようになっていればいいなぁ。
そのためにも、リビングから放たれる冷たい視線をいなしながら、なんとか今日をやり過ごそう。
立ち止まる特権
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