僕は基本的に、自己中で、自分勝手で、ひとりの時間が何より好きな人間だ。ちょっと自分の世界に閉じこもりすぎている自覚もある。そんな僕が、無性に他人に手を差し伸べたくなる瞬間がある。 それはたいてい、相手からテレパシーのような「心の叫び」を受け取った時だ。
「今の生き方にモヤモヤしているの。誰か私をここから連れ出して!」
どこぞのヒロインみたいな口調だけど、相手が男か女かは関係ない。言葉の端々に力が無く、心が震えているような切実な空気を感じ取ったとき、僕の中の「おせっかい装置」が発動するのだ。
おせっかいと言っても、何か具体的な解決策を提示できるわけじゃない。ただただ寄り添いたくなるだけなのだ。けれど、もし相手がそれを望んでいないと察した時の、僕の逃げ足は速い。ゴキブリ並みのスピードで、ササッと物陰に隠れてしまう。だって、やつらみたいに嫌われたくないんだもん。
でも、最近ふと思う。頼まれてもいないのに焼いてしまうこのおせっかいは、実は僕自身が求めていることの裏返しなのかもしれない。 自分らしく生きたいのに、それができない。やりがいがないのに、惰性で働いている。 そんな同じ悩みを持つ人に共感し、その人が少しでも輝ける場所に近づけるように背中をさすってあげたいだけなのだ。
まだ未完成の自分が他人のために動こうとするなんて、冷静に考えれば不思議な話だよなぁ。大したアドバイスができるわけでもないし。 でも、それこそが「理屈じゃない」ということなのだろう。
「これ、やる意味あるの?」 効率や目的ばかりを考えてしまいがちな世の中で、理屈抜きに心が動いてしまうこと。 いちいち意味や理由を考えず、つい体が動いてしまう。そんな風に夢中や没頭の中で働くことができれば、それはきっと最高の生き方なんだろうなぁ。
いつか、僕と同じようなセンサーを持つ人と繋がれたらいいな。
その時は、嫌われない程度に、そっとおせっかいを焼いてみたいと思っている。
意味なんて後からついてくるもんだよなぁ。

