僕は、自分が「貧乏性」であることを自覚している。一般的に貧乏性の定義は、実際の経済状況に関わらず、損得勘定や節約に強く執着する性格のことらしい。食べ放題で元を取ろうとして、胃を壊し、毎度後悔する自分は、間違いなく生粋の貧乏性だ。
けれども、特別貧しい家庭環境で育ったわけでもないのに、なぜこれほど食べ物への執着が強いんだろう。おそらく、幼少期の兄弟間での「弱肉強食の戦い」が原因ではないかと思う。つい弟を甘やかしてしまう親に対して、「もっと僕に構って」という思いを込めつつ、食事を奪い返す。僕にとって、食卓は親の気を引くための絶対に負けられない戦場だったのである。
そんな環境で磨き上げられた僕の貧乏性は、日常のあらゆるところで発揮される。
20〜30代の時にいた職場では、休日出勤の際に昼食代が支給される制度があった。ここぞとばかりに、弁当二個、サンドイッチ、アメリカンドッグにデザート。一回の昼食で二千五百円ほど使い切ったこともある。いつも一緒にいた先輩も、貧乏性だったから笑える。結局食べきれずに自宅へ持ち帰ったりもしていた。我ながら、相当恥ずかしいことをやってたなぁ。
と言いつつ、40歳過ぎた今でも弟の影と戦い、元を取るために頑張って食べまくっている。確実に昔より無理は効かなくなっているけど。
この飢えは一生満たされることはないんだろうなぁ。ただ、いい大人として、人のものを指をくわえて眺めるのだけは慎みたい。
ちょっと無理矢理かもしれないけど、この食べ物への執着心は、僕のファッションへの偏愛にもどこかで繋がっているのかもしれない。「絶対にこれが欲しい」「自分のものにしたい」というあの強烈なエネルギーの源泉は、案外、あの頃の食卓にあるのかもしれないなぁ。
生粋の貧乏性
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