夢は、いくらこちらが居留守を使っても、何かしらのメッセージを置き配していく。頼んでもないのに。昨夜の夢は、その日の出来事がそのまま反映されたすごく不快な夢だった。
三連休の中日、一週間も続いた妻との冷戦がようやく終わった。けれど僕は、彼女がまた機嫌を損ねて自分を無視することへの警戒を、一瞬たりとも緩めることができずにいた。
予定が変わり、家で昼食を食べてから外出することになった。妻がキッチンに立つ。僕はその一時間、自分の部屋に篭って「作業」をすることにした。「作業」とは、休職中の僕が書き溜めているこのエッセイのこと。どうせ妻に言っても理解してもらえるはずもないので、何をしているのか明言できずにいる。
正午、作業を終えてリビングに戻ると、空気は一変していた。妻からの刺すような冷たい視線。そして、間髪入れずに一言。不満がぶちまけられた。 「作業かなんか知らんけど、好きにやって、ご飯の時だけ来て食べられるのは腹が立つ」
また、このパターンだ。あれほど警戒していたはずのに、防げなかった自分に絶望した。こうなると、何を言っても会話すらしてもらえない。正直、もうどうしていいかわからず、この世に存在していることすら嫌になる。外出中も、僕の存在を「無いもの」として扱う妻と、それに合わせるように息を殺す自分。
どこまでも見渡せるくらい透き通った冬空が、今の気分と正反対すぎてただ虚しくなった。
「そこまで自分の存在を否定される筋合いはあるのか?」「こんなに自分の心を他人にコントロールされていいものか?」悔しくて、仕方なくなった。会社にいた頃の自分とリンクして、何も変われていないような気がした。
結局、妻は機嫌を取り戻したが、僕の行き場のない感情と警戒心は解けないまま。そのストレスがしっかり夢にまで出やがった。 自分の知らないうちに、心は想像以上に他人に支配されている。それで適応障害になったというのに。
夢の中の僕は、「もっと自分をわかってくれる人と一緒になってやる!」と決別を匂わせていた。目覚めれば、そんな勇気もないくせに。
僕が夢で苦しんでいるとも知らず、妻が言った。「昨日の寝言、苦しそうだったよ」 ――「あんたのせいじゃ」と言いそうになったけど、なんとかその言葉を飲み込んだ。
これから妻とどう向き合っていくべきか、正直まだわからない。 お互いの「正しさ」の、ちょうどいい折り合いの付け方も。 ただ、もう無視はされたくない。他人の不機嫌という天候に左右されるのではなく、自分で自分をコントロールしたい。
でも、今の僕にはそのやり方がよくわからない。
だから、今はここで、ただ言葉にし続けよるしかないのかなぁ、と思っている。妻にとってはよくわからない作業だけが、僕の心の拠り所だから。
昨夜の悪い夢
当ページのリンクには広告が含まれています。

