- 「経年変化の魅力ってなに?」
- 「経年変化を楽しめる服の基準は?」
- 「どんなアイテムを選べばいいの?」
洋服を長く愛用していく中で楽しめるのが経年変化です。
使い込むことで生まれる風合いや表情の変化は、特別な所有感をもたらします。
洋服を大切にし、長く着用していくことで経年変化を思う存分楽しめるようになります。
そこで本記事では、経年変化を楽しむ服の選び方やおすすめのアイテムを詳しく解説。
「ただ着こなすだけではない」洋服の楽しみ方や経年変化の魅力について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
服の経年変化を楽しむための基本知識
「経年変化」という言葉。聞いたことはあっても、具体的にイメージができない方もいるかもしれません。
まずは言葉の意味をしっかりと理解し、その上で洋服における経年変化の魅力をお伝えしていきます。
そもそも経年変化とは
「経年変化」は、着用や使用を重ねるほどに魅力が増していく変化のことを表します。よくエイジングという言葉でも置き換えられることも多いです。
具体的には以下のような状態が挙げられます。
- デニム(ジーンズ)を履き込むことで表れる独特の風合いや色落ちする過程
- 財布などの革小物を、使い続けることで艶(つや)が増していく過程
- 硬く、ゴワゴワして着づらかったレザージャケットが身体に合わせて馴染んでいく過程
このように、経年変化はアイテムの使用を続けていく中で服に個性や物語を作り出し、所有者が愛着を深めていく大切な要素となります。
経年変化と経年劣化の違い
「経年変化」と「経年劣化」は、どちらも時間の経過に伴う服の変化を表す言葉ですが、その意味は大きく異なります。
経年劣化は、服が望ましくない形で変化していくネガティブな意味合いで使われる言葉です。
具体的には、以下のような状態が該当します。
- 素材の摩耗による強度の低下や日に当たることによる色あせ
- 洗濯による縫い目のほつれなど、服の機能や美しさが失われていく状態
こうした経年劣化については可能な限り避けたい変化であり、適切なケアや使用方法によって防ぐ必要があります。
このように、「経年変化」と「経年劣化」は逆の意味を持つ変化です。
長く洋服を楽しむためには、素材や製法にこだわり、時間とともに味わいが増していく「経年変化」する服を選ぶことが大切です。
洋服の経年変化の魅力
洋服の経年変化の魅力はなんと言っても、日々の着用・使用を繰り返し、自分だけのものになっていく感覚を味わえることです。
使用方法やライフスタイルに合わせて、唯一無二の状態に変化していきます。また、適切なケアを行うことで長期間に渡り魅力を増していくのです。
こうした服を選ぶことで、10年、20年と長い期間、愛用し続けることが可能です。
私も、10年以上愛用している、洋服や靴いくつも所有しています。こうしたアイテムは、自分のライフスタイルにとってかけがえない存在なっています。
経年変化には「モノを大切に長く使う」という考え方が根底にあります。
これは流行に左右されず、いつの時代でも大切にしていきたい価値観です。
自分の好きなモノを長期間愛用していく中で、愛着を深めていけるのが経年変化の大きな魅力なのです。
経年変化を楽しむ服の選び方
洋服の経年変化は、ある特徴を持つ素材を選ぶことで、生地の風合いの変化や身体に馴染んでいく過程を楽しめます。
ここからは、経年変化を楽しむ上で知っておきたい服の選び方について解説していきます。
1. 天然素材の服を選ぶ
洋服の経年変化を楽しむなら、自然由来の天然素材を使用した服を選ぶのがおすすめです。
天然素材は素材自体が自然な風合いや独自の質感を持ち、長年使い込むことで味わいや個性が現れやすいからです。
なお、衣類に使用される素材は、おもに「天然繊維」と「化学繊維」があります。ポリエステルやナイロンに代表される化学繊維は、機能性が高いのが大きなメリットです。
ただし、天然素材に比べると寿命が短いことや、生地本来の雰囲気を楽しみにくい傾向があります。
イメージしやすいようにアウターで例えると、化学繊維を使用したダウンジャケットは使用を続けることで生地が劣化してしまいます。
一方の天然素材を使用したレザージャケットは、定期的に手入れを行い着用を繰り返すことで生地の風合いが増していき、10〜20年と長い期間愛用できるのです。
2.丈夫な生地を選ぶ
できるだけ丈夫(タフ)な生地を選ぶことで、経年変化の過程を存分に楽しみやすくなります。
日常的に使用する中で、生地は擦れや摩擦などの外的要因に影響を受けます。
ダメージを受けやすいデリケートな生地よりも、デニムやキャンバス地、レザーのような丈夫な生地の方が長く着用でき、素材の変化を味わいやすいのです。
このような丈夫な生地は、長く着用する中で身体に馴染んでいき、自分だけの一着に育っていく感覚を味わえるのも魅力のひとつといえるでしょう。
【素材別】服の経年変化を楽しむおすすめアイテム
天然素材が経年変化を楽しめる理由、それは着用や洗濯を重ね、時間とともに表面の質感や色合いが変化していくからです。あくまでもナチュラルに、着る人によってそれぞれの変化が生まれ、特別な所有感を得られます。
素材によって、経年変化の仕方はさまざまです。それぞれの特性を知ることで、より長く服を楽しめるようになります。
ここでは、経年変化を存分に楽しめる素材とおすすめアイテムを紹介していきます。
コットン(綿)
コットン素材は、着用を重ねるごとに体に馴染み、柔らかさと着心地が増していきます。 洗濯を繰り返すことで、独特の風合いが生まれ、全体的に退色したり、部分的に色落ちしたりします。
また、動作に合わせてシワが深く刻まれていき、着る人に合わせて個性的な表情が表れてくるのも魅力のひとつです。
【おすすめアイテム】
◾︎デニム:ジーンズ、デニムジャケット
デニム製品は、経年変化を楽しめるアイテムの定番中の定番と言ってもいいでしょう。
特にジーンズは、着用を重ねるごとに色落ちし、体に馴染んでいくことで独特の風合いが生まれます。
着用者の体型や使用方法に合わせて馴染んでいき、独自の色落ちを作り出します。特に洗い加工がされていない素材ほど、着用する人の色落ちの過程や味わいを表現しやすくなります。
リネン(麻)
リネンは、最初は生地にハリがありますが、着るたびに柔らかくなり、体に馴染み着心地が良くなっていきます。
耐久性が高く、洗濯や着用を重ねることでリネン特有のナチュラルな風合いが深まり、シワが美しく出るのも特徴です。使い込むほどその魅力が際立っていきます。
リネン素材は繊維の中に空気を含むため、通気性と保温性をバランスよく持ち合わせています。
軽くて風通しが良いことから、日本では夏の定番素材として愛用されていますが、その保温性から秋冬を含め、年間を通して使える万能素材なのです。
【おすすめアイテム】
◾︎リネンシャツ
高温多湿な日本では、リネンアイテムは欠かせない梅雨〜夏の定番素材です。特に羽織りとして便利なリネンシャツは、夏のシンプルなコーディネートにアクセントを加え、冷房対策にもなります。
秋から冬にかけては、秋物との異素材感を楽しむのもおすすめ。その際、あまり清涼感の強い色だと季節感から浮いてしまうので、暗めのトーンを選ぶのがポイントです。
ウール(羊毛)
ウールは、優れた保温性と柔らかい手触り、シワになりにくい特徴を持ち、主に秋から冬にかけて使用される素材です。
使い込むほど繊維が柔らかくなり、肌触りがさらに良くなります。着るたびに体に馴染み、冬の寒さをしっかり防ぎながら、快適な着心地が長く続くのが特徴です。
【おすすめアイテム】
◾︎ウールコート
冬の定番ウールコートは上質なものをきちんとメンテナンスすることで、着心地が増していき10〜20年と愛用できます。使用後のブラッシングや、シーズンオフにきちんとクリーニングに出して保管するこで長く愛用できるでしょう。
海外では、長く愛用されウールのコートを代々受け継がれている話を聞くと、つい憧れてしまいますよね。
レザー(皮革)
レザーはデニム素材同様に、経年変化を楽しめる王道的な素材です。
使うほどに艶が増し、革が柔らかくなっていくのが革製品の特徴です。 所有者の体型や使い方に合わせて形が変わり、まさに自分だけの一品に育ちます。
おもに牛革(カウレザー)、馬革(ホースレザー)、羊革(シープスキン)などの種類があり、それぞれの特性に合わせてさまざまなファッションアイテムに使用されています。
【おすすめアイテム】
◾︎レザーアイテム:ジャケット・革靴
レザージャケットや革靴は、使用するほどに艶が出て柔らかくなり、所有者の体型や使い方に合わせて形が変化していきます。傷やシワも味わいとなり、唯一無二の個性を生み出します。
革製品は洋服だけでなく、財布やベルトなどのファッション小物にも使われています。これらは日常的に使うアイテムなので、使うほどに手に馴染んでいく過程を大いに楽しめます。
このように、経年変化を楽しめる素材を選ぶことで、洋服に対する愛着がより深まります。時間とともに変化する素材の魅力を存分に味わいながら、長く愛用できるアイテムを選んでみましょう。
服の経年変化を楽しむためのケア方法とメンテナンス術
洋服の経年変化を楽しみながら長く愛用するためには、適切なケアとメンテナンスが不可欠です。
素材に応じた正しいケアや適切な保管方法、補修や修理を行うことで服の魅力を最大限に引き出し、長期間愛用できるようになります。
ここでは、服を長く愛用していくためのケア方法やメンテナンス方法について解説していきます。
【素材別】経年変化を楽しむ服の正しいケア方法
素材ごとに特性が異なるため、それぞれに合ったケアを行うことが長く愛用するための秘訣となります。
ここでは、具体的なケア方法をご紹介します。
◾︎デニムアイテム
デニム素材は洗濯の頻度を抑えることで、特有の色落ちや風合いを長く楽しめます。また、洗濯の際はデニム専用洗剤の使用したり、洗濯後は形を整えて陰干ししたりすることで、色落ちや縮みを防げます。
◾︎レザーアイテム
定期的に専用クリームを塗り、乾燥を防ぐことが大切です。日頃のケアとしては、着用後にブラッシングをしてホコリや汚れを落とすことで、綺麗な状態をキープできます。
◾︎コットン・リネンのアイテム
素材に適した洗剤を使用し、適切な温度で洗濯することで、風合いを損なわずに清潔に保つことができます。
洗濯後、シワにならないように形を整えて干しましょう。
長く愛用するためのコツと保管テクニック
服を長く愛用するためには、それぞれのアイテムに合った方法で適切に保管することが大切です。
具体的には、日頃から以下のような点を意識しておくといいでしょう。
- ハンガーにかける際は肩の形が崩れしないよう注意する
- ニット類は畳んで平らな場所に保管する
- 収納する際は直射日光を避け、通気性のいい場所に保管する
- シーズンオフで着用しない衣類は、洗濯やクリーニングに出して保管する
- 防湿・防虫処理を行い、清潔な状態で収納する
- 特にレザー製品は高温多湿を避け、通気性のいい場所に保管する
このように日々のちょっとした心がけで、洋服の寿命は大きく変わります。
適切に保管すれば、型崩れやシミ、カビを防ぎ、次に着るときも快適な状態を保てるでしょう。
自分でメンテナンスをして楽しむ
着用時に発生した生地の傷みや破れは、補修や修理することでさらに長い期間使用できるようになります。
具体的には以下のような補修を行うことで寿命を伸ばし、さらに愛着も深まっていきます。
- ジーンズの擦れた箇所は補強したりパッチワークを施したりする
- レザージャケットの傷を専用のクリームやワックスで補修する
- ボタンの付け直しやホツレなど小さな修繕を自身で行う
日々の手入れを行うことでアジとして刻まれ、雰囲気が増していきます。ポイントは、これらの修繕を自分で行う中で服への愛着がさらに深まっていくことです。
このように素材に応じた正しいケアや適切な保管、そして愛情を込めた補修や修理を通じて、服は単なる衣類を超えてかけがえのない存在へと変わっていくでしょう。
経年変化を楽しむ服の購入手段
ここでは、経年変化を楽しめる服を購入するための具体的な手段をご紹介します。
自分に合った購入方法で、自分の一生モノの服を見つけてみましょう。
店舗で購入する
実際に店舗で購入するのは、経年変化を楽しむための服選びとして理想的な方法です。
店頭で実際に生地の質感や風合いを確かめることができ、試着を通じてサイズ感や着心地も確認できます。
また、店員さんに「長く愛用できる服はどれか」を相談すれば、素材やデザインのポイントを教えてもらえるため、失敗が少なくなります。
まだ、どんな服が経年変化するのか判断するのが難しい人にとっては、お店に出向いて商品を購入するのが最も有効な手段となるでしょう。
フリマアプリで購入する
好きなブランドや特定のアイテムがある場合は、フリマアプリの利用がおすすめです。
タイミング次第では、状態の良い商品を定価の半額以下で入手できる場合もあります。
長く経年変化を楽しみたい場合は、できるだけ着用感が少ない状態の良いアイテムを選ぶのがポイントです。
商品の状態は写真で確認するのはもちろん、着用回数や素材の劣化具合について出品者に質問することで、購入後の満足度が高められます。
私も普段からよく利用しているメルカリは、出品されているブランド・商品数も豊富なので、お気に入りのもの安く買えるのでおすすめです。ぜひ活用してみてください。
リユースショップで購入する
実際に商品を見てから購入したい場合は、リユースショップを利用するのも一つの手段です。
リユースショップでは実際に商品を手に取ることができるため、素材感や風合いの変化を確認しやすく、経年変化を楽しむためのアイテム選びには理想的です。
さらに、新品を購入するよりも安く購入できる可能性があります。
また、全国展開する
試着や状態確認を行いながら、自分が納得できる一着を見つけられるでしょう。
まとめ
ここまで洋服の経年変化の基礎知識や、長く愛用していくことの魅力について解説していきました。
洋服の経年変化は、特に綿(コットン)や麻(リネン)、レザー素材などの天然素材を長く着用することで、自分のライフスタイル(着方、着用頻度)に合わせて変化していくのが魅力です。
一生付き合っていきたいと思える洋服に囲まれることは大きな喜びでもあります。
経年変化は、トレンドなどに左右されない自分だけのファッションの普遍的な考え方と言えるでしょう。
ただ着こなすだけではない、ファッションとの向き合い方を知れば、より洋服を楽しめるようになるはずです。
本当の意味での自分だけの一着へと育っていく感覚は、何にも変えられない喜びでもあります。
ファッションの経年変化の魅力に気付いた方や、これから楽しみたいと思う方へ。
使い込んで、着続けることで変化していく洋服の姿を楽しみながら、その体験を共有し、新しい洋服の楽しみ方を一緒に見つけていきましょう。